10分でMessariの10万字レポートを読み終える：2026年の60の暗号トレンド

原文翻訳：BitalkNews

この記事はMessariの10万字の年次報告書をまとめ、AIと人間を組み合わせて、2026年の暗号トレンド60個を以下にまとめました。

1. L1が実際に成長しなければ、暗号資産はますますビットコインに流れる。

2. 現在ETHはビットコインの「弟分」であり、独立したリーダーではない。ETHは機関や企業の支持を受けており、ビットコインと共に利益を得ることができるが、まだ完全に自立することはできない。

3. ZECとビットコインの相関関係は0.24に低下し、ビットコインのプライバシーヘッジとなっている。

4. アプリ専用通貨（例：Virtuals Protocol、Zora）が2026年の新興トレンドとなる。

Virtuals Protocolを例に、アプリ専用通貨を紹介します：

• ユーザーがAIエージェントを作成する際、エージェント専用のトークンが発行される。

• すべてのエージェントトークンはプラットフォームトークンVIRTUALとペアリングされる（エージェントトークンを購入するにはVIRTUALが必要で、流動性を提供する）。

• プラットフォームが人気で、AIエージェントが有用であれば、VIRTUALの需要が高まり、このエコシステムの「専用通貨」となる。

1. ステーブルコイン：投機ツールからアメリカの「通貨武器」に変わる。GENIUS法（2025年に通過）により、アメリカ初の連邦ステーブルコイン規制が施行され、ステーブルコインは暗号の玩具からアメリカの金融政策ツールに変わる。

2. Tetherは引き続き発展途上国市場でステーブルコインのシェアを占め、先進国市場は大機関に奪われる可能性がある。Tetherの利益は高く、評価額は5000億ドルに達する。モルガン・スタンレー、アメリカン・バンク、シティ、PayPal、Visa、Googleなどが全てステーブルコインを発行するか、インフラを構築する。

3. CloudflareとGoogleはAIエージェント取引専用のステーブルコインと支払いプロトコルを構築し、未来のAI自動支出の世界に備えている。

4. 2026年には金利が低下し、収益型ステーブルコイン（例：貸出利ざや、アービトラージ、GPU担保貸出）が爆発的に成長する（例：EthenaのUSDe）。

5. 実物資産のトークン化（RWA）が未来の万億資産をブロックチェーンに載せる。2025年にはRWAの総規模が180億ドルに達し、主に国債と信用が含まれる。DTCC（アメリカの証券清算大手）がSECの承認を受け、アメリカの証券をトークン化できる。大部分はイーサリアムに展開される（64%）が、機関はプライベートチェーンを使用する可能性がある。

6. イーサリアム：機関と大金の「決済センター」。イーサリアムは依然として最も信頼できる「決済層」である。

7. イーサリアムL2は大部分の取引を受け入れているが、トークンのパフォーマンスは悪い。Baseは収益が最も強く、L2の62%を占める。ArbitrumはDeFiで最も強い。

8. Solana：小売と投機の王者Solanaは引き続き個人投資家の取引、現物取引量、memecoinの熱潮を占める。

9. 2026年にはRippleがXRPLを「機関DeFiフレンドリーなチェーン」にするために、基盤にさまざまなコンプライアンス機能を追加する。

10. Stellarは2026年にステーブルコインと支払いアプリケーションを重点的に推進する（手数料は超低コストの0.00055ドル/件、既存のウォレット、世界の法定通貨チャネル、バルク送金プラットフォームを持つ）。

11. Hederaは「規制された企業基盤インフラストラクチャーのバックボーン」になりたいと考えており、主に2つの方向性に重点を置く：RWAのトークン化と検証可能なAI。

12. BNB Chainはバイナンスの2.9億ユーザーを直接導流する。Binance Alphaは引き続き「新プロジェクトのインキュベーター」として、BNB Chainを優先的に推進する。

13. TRONは新興市場でUSDTの送金王であり続ける。TRONは暗号業界で最も利益を上げている「ビジネス」の1つで、年間収益は5億ドルを超える。新たに登場した「ステーブルコイン専用チェーン」（stablechains）がその地位を奪おうとしているが、TRONの堀は深く、USDTの主導的地位を守りつつ、世界的な影響力を拡大すれば、2026年もステーブルコイン経済の中心的支柱であり続ける。

14. Suiは「高性能実行チェーン」から「フルスタック統一プラットフォーム」へ進化する。

15. Aptosは「すべての資産のトークン化、24/7の仲介なしのグローバル取引」のコアエンジンになりたい。

16. Near Intentsはクロスチェーン+AIエージェントの基盤層となる。

17. Polygonは支払いの道を歩み、ステーブルコイン、商業処理業者、消費金融を統合する。支払いアプリの月間送金はすでに10億を超え（年間64億）、2026年の目標は月間25-30億。

18. ステーブルコインのパブリックチェーンArcとTempoはSWIFT（国際電信送金）、ACH（アメリカ清算）、支払い処理業者と競争し、オフラインの大口支払いをブロックチェーンに移行しようとしている。

Arcは大機関のお金（銀行、資本市場のFX、トークン化資産）を狙う。

TempoはStripeエコシステムのお金（商業、消費支払い、給与支払い）を狙う。

Arcは機関の外貨、トークン化資産、B2B支払いのデフォルトのトラックになる可能性がある（Circleが大機関を引き寄せ、規制に友好的であれば）。Tempoは商業の資金提供、クロスボーダー決済の最適なトラックになる可能性がある。

23. Chainlinkは引き続きDeFiのオラクルのリーダーを守るが、機関データサービスがオラクルの新たな収入源になる（伝統的な金融データの予算は非常に大きく、Bloombergは年間106億を稼ぐ）。

24. プライバシーのクロスチェーンが重点となる：THORChainとMonero（透明な通貨をプライバシー通貨に交換）、Chainlink Confidential Compute（機関の敏感データを安全に計算してブロックチェーンに載せる）。

25. 2026年のDEXはウォレット、ロボット、ランチャーなどのビジネスを統合する。DEXの3大収益ビジネス：

• ウォレット：Phantomは11月に946万ドルを稼いだ（手数料率0.95%）、取引量は10億未満だが、DEXの大部分を占める。

• 取引ロボット：Axiomの手数料率は1.15%、収益は1874万ドル。

• 資産発行（ランチャー）：独占的な新しいコインを販売する。pump.funは手数料率0.51%で3492万ドルを稼ぎ、Four.memeは1.05%（バイナンスのバックアップ）。

2026年のDEXはウォレット、ロボット、ランチャー、DEXを束ねて、取引の全プロセスを制御し、手数料だけでなく新たな収益を得る可能性がある：サブスクリプション、高度な実行の有料サービス。

26. モジュール化貸出（例：Morpho）は一体型貸出（Aave）を超える。RWA貸出、高収益ステーブルコイン、機関分配に依存する。

なぜモジュール化に優位性があるのか？

• ロングテール資産（小さなコイン、RWA）の貸出需要が大きく、一体型は手を出せないが、モジュール化は独立した金庫を開けることができる。

• 機関と新しい銀行はリスクを隔離し、パラメータをカスタマイズすることを好む。

• 中央集権的な取引所や新しい銀行にバックエンドとして利用できる（例：MorphoとCoinbaseが協力し、10億ドルの預金を誘導）。

1. 株式の永続契約が暗号の新たなトレンドとなり、世界中で高レバレッジの株取引が行われ、オフラインの規制を回避する。

2. 外生的収益のステーブルコイン：ステーブルコインの収益はオフラインの実際のキャッシュフロー（例：プライベートクレジット、インフラ、トークン化された不動産）から得られ、国債ではない。より多くの外生的収益製品（クレジット、不動産、エネルギーなど）がブロックチェーンに載せられる。収益を伴うステーブルコインはDeFiの主要な担保と貯蓄ツールになる。

成功例：

USD.Ai：国債の裏付け+AIインフラ（GPU担保）貸出、ロックアップは6.7億、収益版は9.7%。

Maple syrupUSDC/T：取引会社/マーケットメーカーに超担保貸出、ロックアップは45億、収益は5.5%。

29. 実物資産（RWA）担保貸出。オンチェーンのRWA貸出はほぼすべて住宅の純資産信用に依存しており、Figureプラットフォームが独占的（活発な貸出は141億ドル）。もう一つの潜在的な方向性は商業信用であり、オンチェーンの信用は透明なキャッシュフローを自動評価+融資することで、世界中の商業にサービスを提供できる。

30. DeFi銀行は暗号銀行の主流分配層になる可能性がある。貯蓄、取引、カード、送金をすべて無許可のウォレットにまとめるのがDeFi銀行である。

31. 非中央集権的なAI専用の高品質データ収集（能動的/受動的）が最も利益を上げる。非中央集権的な計算ネットワーク（DCN）は卸売+検証推論で新たな道を見つけ、中程度のオープンソースモデル+群知能/エージェントが流行する。AIと暗号が相互に支え合い、DeAIは「啓蒙時代」に入る。

32. 最前線のデータ：AIデータ荒時代の機会

AIの公開無料データはすぐに枯渇しており、現在は複雑で多モーダル（画像+テキスト+動画+音声）+専用の最前線タスク（例：ロボット、コンピュータエージェント）の高品質データが急務である。これは暗号企業にとって大きなチャンスであり、専用データを大規模に収集する機会がある。2つのカテゴリに分けられる：

能動的収集：ユーザーが特定のタスクを実行してデータを生成する（従来のラベリング会社のアップグレード版のようなもの）。

受動的収集：ユーザーが通常の製品を使用することで、ついでに「デジタル廃棄物」を生成する（摩擦はゼロ、規模は大きい）。Grassの例：余剰帯域幅を使用してウェブサイトから多モーダルデータを収集し、2025年には収益が1280万ドルに達する（大AIが繰り返し購入）。

2026年にはこのような「データ鋳造所」が特定の最前線のユースケースに特化し（収集だけでなく、強化学習環境/新しいベンチマークを強化）、非中央集権的なAIの中で最も利益を上げる部分になる可能性が高い。

33. 2026年にはより多くの企業が「先進的なAI研究所と協力している」と公表することが予想される。受動的データ収集

受動的データ収集は能動的（ユーザーが特定のタスクを実行する）とは異なり、ユーザーが通常の製品を使用することでデータを生成し、摩擦はほぼゼロで、大規模に行われる。最も潜在的な2025年の例はShaga（DePINネットワークで、余剰のゲーム用コンピュータを分散型クラウドゲームプラットフォームに変え、ユーザーが計算能力を提供して報酬を得る）である。2026年にはより多くの企業が「先進的なAI研究所と協力している」と公表し、従来の企業も暗号のインセンティブ+ステーブルコイン支払いを加えるだろう。

34. 2025年にDeAI研究所は世界中に分散した異種GPUを使用して強力な中型オープンソースモデルを訓練した。Prime Intellect、Nous Research、Gensyn、Pluralisはすでにリーダー的な研究所であり、2026年にはより多くの製品化が期待される。

35. 2026年には軽量エージェントビジネスが飛躍する可能性がある。X402が大ヒットし、ERC-8004がエージェントにオンチェーンのアイデンティティを与え、Google AP2、OpenAI ACP（Stripeと協力）がエージェント支払いプロトコルを推進する。

36. 2026年のDeFAI（AI+DeFi）の3つの可能性：

• 垂直統合：専用プラットフォームがすべてを包み込む（研究+取引+収益+管理）、Bloombergターミナルのように、データのフライホイールがユーザーをロックする。

• AIの埋め込み：大規模インターフェース（Phantom、Axiom、取引所）が最良のシステムにAPI接続するか、独占的に買収する。

• モジュール化の調整：プラットフォームが千の専門エージェントを調整し、ユーザーが「主エージェント」を使用して最適な専門家をルーティングする、エージェントアプリストアのように。

34. Bittensor：ダーヴィンのプラットフォームの王、競争を通じて世界中のトップタレントを引き寄せる。エコシステムは独立したサブネットの集まりであり、各サブネットは特定のAIタスクに特化している。

35. スマートコントラクトの安全性の課題：AIは両刃の剣

AIはコードを書くのを助け、DeFiアプリケーションの展開を容易にするが、同時にハッカーに強力なツールを提供し、脆弱性を探す。

賢いプロトコルは今すぐAI防御を追加し、AIハッカーの大規模な武器化を防ぐべきである。安全性は「オンライン前の監査」から「継続的な積極的防御」に変わる。AI防御に投資することは急増する------機関の大金は高信頼環境を必要とし、静的な監査では動的なAIの敵に対抗できない。

39. 予測市場にはAIが不足しており、将来的には統合される

AIは人間の判断を置き換えるのではなく、「新しい参加層」------情報を継続的に集約し、流動性を安定させ、構造的偏見を減らし、市場の本質を変えない。予測市場は成熟した予測インフラを必要とし、AIエージェントは必須の層である。現在、すでにいくつかのプロトコルがAI予測、エージェント参加、意思決定支援を追加している。

40. DePINの垂直統合（自らリソースを完全な製品に変える）が最も利益を上げ、需要問題を解決する

大多数のDePINは「商品リソース」（計算能力、帯域幅、ストレージ）を生産し、大きな利益を上げるのが難しい------交換可能で、価格が低く、量に依存する。

勝者の戦略：垂直統合------自らリソースをパッケージ化